2014年04月26日

クロス・トレーニング(続き)〜介護予防においては〜。

前回の続きです。


氷山の見えない部分の二角も広げていくことで、強い土台に支えられた
専門競技力を保つことができるというクロス・トレーニングの考え方は、
介護予防のトレーニングにも適用して考えられるものと思います。

例えば、歩くのが不安定になってきて、これを何とかしたいというケースでは、
対策としては、「どんどん歩いて鍛えよう」というふうに考えますね。

もう少し専門的アプローチだと、この方の歩行動作を評価して弱点となっている
筋肉の強化を行う、というのが一般的です。
スポーツでいえば「歩行能力を高める」という専門競技(氷山の一角)を鋭くする
ということですね。

もちろんこれは大事なことで、必要なことですが、
それだけだととても限られた能力の獲得になり、脆いです。
これに加え、「バランストレーニングをする」、「下肢の筋トレをする」、
「注意力を高めるトレーニングをする」、「ストレッチをする」・・・

もっと広げて考えると、「腹筋運動をする」、「背筋運動をする」・・・を
行っていくと、歩行能力の下支えになる身体能力を身につけることになり、
歩行能力だけではない、広い意味での介護予防になります。

ですから、例えば
・歩行が危なくなってきたから安定して歩けるようになりたい(なってほしい)
・布団から起き上がる動作が難しくなってきたから、スムーズに起き上れるよう
 にしたい(なってほしい)
・椅子からうまく立ち上がれるようになりたい(なってほしい)

などの場合
リハビリメニューを考える際には患者さんの「専門種目」(氷山の一角)は何か、
他の二角はどこに置くべきかを意識して、構築すると良いと思います。


終わり







ラベル:運動 介護予防
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2014年04月23日

クロス・トレーニング。

今回は「クロス・トレーニング」という概念について書きたいと思います。


主にスポーツの世界で使われているのですが、「クロス・トレーニング」という概念、
言葉があります。

クロス・トレーニングとは、自分の専門種目ではない種目をやったり、
別の競技のトレーニング法を実践したりすることを言います。

例えば野球選手がオフシーズンに水泳をしたり、スケート選手が自転車を漕いだり・・・。

なぜそれが有効なのかというと、これを氷山に例えて説明することができます。

よく「氷山の一角」と言いますが、人間の能力というのは外から見える部分は、
氷山の一角のようにほんの一部(1/10とか)だけです。
その目に見える部分を支えているのは、目に見えない大きな部分(9/10)となっています。


crosstraning_sankaku.png
   (こやまクリニックHPより)


氷山の頂点(ここでは専門競技)ばかり(だけ)をトレーニングして高めることは、
確かに鋭い山ができるかもしれませんが、それを下支えする見えない部分の脆弱さが、
ともすると「専門分野だけの動きしか得意ではない」、「応用が利かない」、さらには
「スポーツ障害」や「燃え尽き症候群」といった状態を引き起こす可能性が高くなります。

専門分野を高めることはもちろんですが、その他(水面下)の2角を伸ばすことで、
骨太な、いろんな意味で「強い」アスリートに育つということです。


この考え方は競技スポーツに限ったことではなく、仕事や趣味、はては人生にまで広げて
考えることが可能かと思いますが、私はこれを介護予防のトレーニングについても
意識的に当てはめて考えています。


長くなったので、続きはまた今度。




ラベル:運動 介護予防
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2014年02月17日

「老年症候群の診察室」。

今回は久しぶりにお勧めの本の紹介です。



『「老年症候群」の診察室 超高齢社会を生きる』 (朝日選書) 大蔵暢


  



「老年症候群」という言葉聞いたことありますか?

認知症、膝痛、老年期うつ、転倒、頻尿、失禁、骨粗しょう症、めまい、筋力低下・・・

これらはそれぞれ独立した症状として考えがちですが、原因は加齢、つまり、
これらの症状を引き起こす一番の要因は「高齢であること」であり、
それが引き起こす上記のような様々な症状、病気の集合体を「老年症候群」といいます。

このように、加齢に伴い出現する様々な症状を「老年症候群」という一つの概念で
捉えることで新たな、よりベストな対処がみえてきます。


さて、
この本は、老年医学に携わっておられるお医者さんが書かれた本です。
確定的な正解がない高齢者医療の現場で、医療や介護側からの都合の良い押し付けではなく、
(最新の科学的研究知見もしっかり考慮しながら)患者さんにとってどうするのが
ベストなのかを懸命に探りながら医療活動にあたっておられる姿勢に感銘を受けました。

自身やご家族の老年期、終末期の医療、人生を選択するにあたって、
現時点でとても参考になる内容になっています。

「老年症候群」の全体像を知るのにも良いと思いますので、
高齢者医療・介護に携わっている方にも一読をお勧めしたいですね。
私もずいぶん勉強になりました。






ラベル:
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2013年04月22日

拘縮改善に週二回のリハビリマッサージ?


「週に二回くらいのペースで来てもらえば、母の関節はどんどん動くようになりますかね?」


先日、寝たきりで四肢の強度の拘縮(手足、全身の関節が固まってしまっている状態)を
持たれる患者さんのご家族から、これからリハビリマッサージのサービスを
開始するにあたって、私に尋ねられた質問です。

この方のような、かなり進行した拘縮状態の場合、週二回程度のリハビリマッサージを受けても、
それ以外の時間に全く動かさず、また、良肢位を考慮しない「ただ寝かされている」
ような状態で過ごされるなら、現在の程度を維持することも、良くすることも難しいと思われます。

その方の現在の状態や介護の内容などをお聞きし、お体を診させていただいた上で

「残念ですが、難しいです。ただし、週二回のリハビリを受けながら、
これ以上の進行を抑える可能性が高い方法はあります。そしてその方法を実践すれば、
○○さん(患者さん)も今より心地が良いと思います。」

とお答えしました。

その方法を考慮せず、リハビリマッサージだけで改善を望もうとするならば、それこそ
毎日のように施術を受けていただく必要があると思います。

「毎日訪問する」ということは我々にとって正直経営的にはうれしいことといえます。


なのですが、、、

リハビリマッサージは健康保険で賄われており、その拠出を極力抑えながら効果を
最大化しなければいけません。

そこで、どうしても必要な場合を除いては、なるべく訪問頻度を抑えて「日常のあり方」の
指導をすることをわれわれは重視します。

確かに拘縮は、「関節を動かす頻度を増やす」ことで改善効果が高まります。
ですが、これまでも当ブログで書いてきたように、
専門家がどれだけ関節を動かしても、それ以外の時間(この時間の方がだんぜん長い)で
拘縮進行を助長するようなことをしていては、
せっかくの施術も、(無駄とまでは言いませんが)効果は半減してしまいます。

その詳しい方法は過去の記事をお読みください。
寝たきりの拘縮予防
寝たきりの拘縮予防その2
拘縮を予防するために


施術時間はたかだか20〜30分ですが、それ以外の時間は1日24時間近くあります。
だから、いつもの寝ている体位の調整が必要なのです。

そして、これにはご家族の理解と協力が必要です。

訪問マッサージを行っている治療院で、このような施術以外の方策を伝えている所は
ほとんど無いように思います。
私の知る限り、「拘縮にはとにかくマッサージを増やして!」という話ばかりですね



それから、

拘縮は初期の段階であれば、改善が十分見込めます。そして早い対処であればあるほど、
改善のエネルギーは少なくて済みます。
早い段階で、拘縮の始まりに気づき、自分(ご家族、利用者さん)の生活と環境の見直し、
改革を図ることが大切です。拘縮の始まりは実際に関節の動きが悪くなる、さらにその前
から予兆があります。
その予兆は、生活と環境を注意深く観察することで察知できます。



早いうちに対処することが大切であること、またすでに重度に拘縮が進んでいるような
方の場合は良肢位の保持の重要性を皆さんに知っていただけるよう、もっと様々な場で
伝えていかなければと思っています。
そうしないと、いつまでも「地域の寝たきりゼロ」は実現できないです。




ラベル:拘縮 介護予防
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2013年04月02日

元気な老後のためのお勧め本。

老後、自分が介護が必要になるのではないか


そんな不安が漠然とあると思います。
特に自分が「高齢者」と呼ばれる年齢になっている人はなおさらでしょう。

今から自分の対策を打っておきたい、
また、祖父母や父母のことが心配だという方は、この本を読まれることをお勧めします。


『一生ボケない、寝たきりにならない方法』 学研マーケティング


題名は最近よくありがちな「言い切り型」で、ちょっと怪しいなと思ってしまいますが、
読んでみると、内容はとても「ために」なる本だと思います。
本の中で著者は「必ずしも題名のようなことを保証するものではなく、しかしながら、
多くの人にぜひ知ってもらいたいという思いから・・・」とこのような題名をつけたことを
謝罪しています。

一般向けに書かれた本ですが、介護関係のお仕事をされている方も一読の価値ありだと思います。



(私の書評)
高齢者こそ筋トレを!
前人未踏の超高齢社会に突入している今、「高齢者に筋トレなんて…」というこれまでの
既成概念を捨て、筋トレをして介護が必要の無い元気な老後を送りましょうよ
ということを、説得力のある豊富なエビデンスと実践方法を示しながら提案しています。
また、筋トレだけではなく、食事や様々なケアについても書かれてあるので
トータルな介護予防の知識が得られます。
高齢になると、すべてにおいて減らしてしまう傾向にいってしまいがちですが、
「運動も食事も、中高年からは加えていきましょう」というのは目から鱗です。





ラベル: 介護予防
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2013年02月06日

拘縮を予防するために。

今日の雪は大したことがなさそうで安心しました。
雪が降ると朝はいつもバタバタしちゃいます。


昨日、とある新規の患者さんの施術をしてきました。
その患者さんはいわゆる「寝たきり」で、
腕や足に拘縮(筋肉や関節が固くなっている状態)、筋緊張が強く出ていらっしゃる方です。

ただ、幸いほとんどの関節において、絶望的な(改善不可能な)拘縮までには至って
いませんでしたので、じっくり関節リラクの手技を行ったところ
施術後には、関節の動きがだいぶ改善しました。

ご家族もびっくりして、喜んでおられました。

さて、このような改善を一時的なものにしないため、効果を長続きさせるために
そのあとの体の姿勢(寝かせ方)を適当にしておかないことが大切です。

以前も当コラムで書かせていただいた「良肢位の保持」をご家族に心がけて
いただきたいたいところです。

以前のコラム「寝たきりの拘縮予防」「寝たきりの拘縮予防その2」

「体を捻じれがない状態になるべく近づけること」、「安定のためになるべく隙間をなくすこと」


もし、ご家族に寝たきりの方がいらっしゃったら、ぜひ、普段の寝かせ方というところを
おざなりにしないようしていただきたいと思います。
少なくともそれだけで拘縮の進行を遅らせることができると思います。




埼玉県さいたま市の訪問リハビリマッサージ 治療室リハネット


ラベル:拘縮 寝たきり
posted by リハネット at 12:51| コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月26日

マラソンデイ。

今日はあいにくの雨ですが、昨日は良い天気で、スポーツ日和でしたね。

各地でマラソン大会が開催されました。
つくばマラソン、大阪マラソン、神戸マラソン・・・
川越でも「小江戸川越マラソン」がありました。
マラソンデイでした。

私の友人たちも各地で参加していたようです。



マラソンに関連した栄養学の話を一つ書きたいと思います。

マラソンなどのような持久系の体力が必要になる競技では、当日のスタミナを維持する
目的で、『カーボ・ローディング』という栄養摂取の方法を用いることがあります。
(グリコーゲン・ローディングと言ったりもします。)
それにより、スタミナが持続し好記録が期待できます。

聞いたことありますか?

カーボ・ローディングは、持久系の運動のエネルギー源である「グリコーゲン」を筋肉内に
蓄えるための方法で、簡単に言うと、「事前に高炭水化物食を摂る」ことです。
グリコーゲンは、エネルギーとして使用するのに、脂肪などに比べ分解しやすく即効性が
あります。

よく「試合前日にパスタをいっぱい食べる」とか聞いたりしませんか?

だいたいの場合それが一般的に「カーボ・ローディング」と認識されています。

でも、実はそれだけではちょっと片手落ちです。
炭水化物を大量に摂る以前に、まずは筋肉内のグリコーゲンを枯渇させておかなければ効果は
薄いです。
そのため以前言われていた方法は、たとえば一週間前までに激しいトレーニングにより
体内(筋肉内)のグリコーゲンを消費しておき、同時に炭水化物の摂取を制限して(枯渇)、
そういう前段階の準備をしておいてから、競技数日前から大量の炭水化物食を摂る(蓄積)
というものです。
そうすることで効果的にグリコーゲンが体内に溜まります。

ただし、これは体にとって結構危険な方法ですので、最近ではちょっとソフトの方法が勧められて
いるようです。
トップアスリートならいざ知らず、一般のスポーツ愛好家の方はそこまでやることは
お勧めできません。

炭水化物を制限することは行わず、
3〜4日前までにトレーニングで追い込む(グリコーゲン減少)→ 本番まで運動は控えるが
炭水化物は控えない(グリコーゲン維持) → 1〜2日前に高炭水化物食を摂る(グリコーゲン蓄積)
くらいが良いのではないでしょうか。


健康のためにスポーツをやっているのであれば、楽しく安全にスポーツを楽しみたいですね。
「過ぎたるは及ばざるがごとし」です。



ラベル:運動
posted by リハネット at 12:30| コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月07日

運動を習慣にするためには環境づくりが大切です。

適度な運動が健康にもたらす恩恵ははかりしれません。

でも、運動を始める、継続するということはなかなか難しいですよね。
「わかっちゃいるけどやめられない」
ならぬ
「わかっちゃいるけど続かない」です。

日曜の日経新聞に「運動には仲間が重要」という見出しで記事が載っていました。
日本経済新聞6月3日記事(ウェブ版)

行動科学の観点からの運動を継続するコツみたいなものが紹介されています。

例えばウォーキングという(健康に良い)運動を続けるためには、
環境を整えることが大切であり、そのための条件として

 @一緒にやったり、教えてくれたり、ほめたりしてくれる人がいる
 A周辺に安全に歩きやすい場所がある
 B「やってよかった」と実感できる
 C天候や疲れ、仕事など運動の妨げになる要素を取り除く方法がある

などが挙げられると書かれています。

やみくもに始めてしまうとなかなか続かず、結局やめてしまいます。
そうすると「やっぱり自分には運動を続けるのは無理だ」という
負のイメージが自分の中で強化されてしまい、
以後の人生で運動を始めることが余計難しくなります。
これは運動だけではなく、禁煙やダイエットなど何にでもいえることですね。

仲間を作る、運動に適した(アクセスしやすい、気分が良いなどの)場所を探す、
自分にご褒美を与える・・・など
まずは環境を工夫して整えることで、続けられる見込み感を高めていくことが大切なようです。


ラベル:運動
posted by リハネット at 08:40| コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月09日

変形性膝関節症について。

ツツジの花がだいぶ咲いてきました。
きれいです。
子供の頃は学校の帰り道、花を摘んで蜜を吸ったものです。
ほんの一瞬ですが、蜜の甘さが感じられるのです。
さすがに今はそんなことする勇気がありません。。。


さて、今回「変形性膝関節症」について書かせていただきたいと思います。
ご高齢者の中には「変形性膝関節症」と診断されていらっしゃる方が結構います。
特に女性に多くみられます。

また診断はされていなくても、「どうも膝関節の状態が良くないぞ」という患者さんは
多いですね。
歳を取れば関節は摩耗しますので、多かれ少なかれ関節の状態は健康とは言えなくなります。
そこに、「痛み(動いた時)」、「腫れ」、「変形・可動域制限(関節の動きが悪くなる)」
などの症状が出た場合、「変形性膝関節症」との診断になるのかと思います。

変形性膝関節症に対しての一般的な治療法は、
薬(飲む、患部に塗る、貼る、注射をする)、膝に溜まった水を抜く、装具を付ける、
物理療法(温める、冷やす)、
そして運動療法(筋肉トレーニング、ストッレッチ)でしょうか。
上記で良くならず、どうしてもの時は手術(人口関節置換術など)となります。

われわれマッサージ師では、手による痛みのケアと運動療法の処方が主になります
(物理療法も少し)。
膝が悪いとどうしても歩かなくなりますし、そのため筋力はどんどん低下していきますのでそれは
予防しなければいけません。
痛みをケアしながら、痛みが出ないようなやり方の運動療法を行っていきます。
また筋肉を鍛えることには、膝の保護、膝への緩衝作用を期待できます。

膝関節から始まってその影響は、股関節や足首の関節にも波及し、どんどん悪化していきますので
悪くなる前にケアが必要です。

ご自身でもセルフケアをすることで予防できます。
インターネットや書籍などでいろいろ運動方法(トレーニングやストレッチ)が紹介されていますので、
参考にしていただき、元気な老後を過ごしてほしいです。
50歳以降の女性、そして太っている方は特に要注意ですヨ。


保険診療によるマッサージ治療は、医師の判断と同意が必要になりますが
関節可動域制限がある場合などに利用することが可能です。




埼玉県さいたま市の訪問リハビリマッサージ 治療室リハネット

ラベル:関節拘縮
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2012年02月25日

脳を鍛えるには運動しかない?

私はヘルスプロモーターの立場から、健康づくりのためにみなさんが「定期的な運動をする」ことを
お勧めしています。

特に家族を介護されている方には、介護疲れがあるのを承知で運動をお勧めしてきました。

なぜこんなに勧めるのかといいますと、
運動は健康のために、(薬と違って)ほとんど副作用がなく、そして健康効果が高いからです。
基本的にお金はかかりませんから経済的ですし。

鬱(うつ)や精神的健康低下にも効果を発揮します。

そのような運動の効果をわかりやすく説明してくれる良書があります。

『脳を鍛えるには運動しかない!-最新科学で分かった脳細胞の増やし方』(日本放送出版協会)



本書は、運動のもたらす様々な効果を科学的な研究例を交えて説明しています。

結構厚い本ですが、読み終えると運動するモチベーションが高まってきますヨ。

運動しようかなと思ってはいるけど、それだけの効果があるのかな?と思いとどまって
いるような方には特にお勧めの本です。




ラベル: 運動
posted by リハネット at 19:47| コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年11月24日

本の紹介。

最近、読んで目から鱗が落ちた本がありましたので紹介します。

『リスクリテラシーが身につく統計的思考法』早川書房
(Amazonリンク貼りました)

  

世の中にはいろいろな数字があふれていますが、その数字を統計的に読み解くと、
いかに今まで間違った思い込みをしていたか(させられていた?)かがわかります。

例えば本書の中で、乳がん検診の例があげられています。

<例題>
「40歳女性が乳がんにかかる確率は1%である。また乳がん患者が乳房X線検査で陽性になる
確率は90%である。乳がんではなかったとして、それでも検査結果が陽性になる確率は9%である。
さて、検査結果が陽性と出た患者が実際に乳がんである確率はどれくらいか?」

あなたが、40歳女性で、特に症状もなく、なんとなく受けておいた方が良いなと思って乳がん検診
を受けました。その結果「陽性」との判定が出ました。どう思いますか?
大変な確率で(例えば90%)自分は乳がんだと思ってしまうのではないでしょうか?

でもこれが思いこみです。
答えは乳がんである確率は約10%です。
乳がん検診を100人受けたとしてその中で実際に乳がんなのは1人。乳がんでない残りの99人の中で
誤って「陽性」と判定が出るのが9人。つまり計10人が「陽性」と判定されます。
その中で実際に乳がんなのは1人ですから10人に1人、10%ということです。


本書では、乳がん検診だけでなくさまざまな場面、事象でのこのような誤った認識を指摘しています。



統計的思考を身に付けることは、自分や周囲の人に降りかかるリスクを正しく判断するために
非常に大切であると思いました。




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2011年11月10日

寝たきりの拘縮予防 その2。

前回に続き、寝たきりの拘縮予防についてです。
長いですが最後まで読んでいただければ幸いです。


寝たきりの方の拘縮進行には、普段の寝ている姿勢がかかわってきます。
拘縮を進めづらいような姿勢というのがあるのです。

そして、さらに同じ姿勢を長時間続けないということも重要で、そのためにはなるべくこまめな
体位変換が必要になります。


・拘縮を進めづらい姿勢の設定
・横向き(左右)、仰向けなど、体位のこまめな変更


拘縮を進めづらい姿勢とは、
「体のねじれが無い(少ない)状態」であり、かつ「重力に(なるべく)逆らわない姿勢」です。


まず「体のねじれが無い(少ない)状態」ですが、

体にねじれがあると、ねじれのある部分で血行が阻害されます。
またねじれていることで特定の筋肉に持続的な収縮が生じ、その筋肉が硬くなってくることが
考えられます。
そこで、からだのねじれが極力ないような姿勢にもっていきます。


そして「重力に(なるべく)逆らわない姿勢」とは、言いかえると「安定した姿勢」です。

立っている時を例にします。
人は、体にある「抗重力筋」という重力に対抗する筋肉たちが働くことで立っていられます。
重力線に沿って正しく立っている時は最小限の抗重力筋の収縮で立っていられるのですが、
例えば、立ったまま(足の位置を動かさないで)首を曲げずに少しずつ頭を後ろに倒していくと
どうでしょうか?

だんだんいろんな筋肉が頑張りだしてきつくなってきますね(特に後ろ側の筋肉が)。
体全体にも力が入ってきます。
不安定な状態をなんとか保持しようとする現象です。

このように重力に逆らう不安定姿勢は、余計な筋肉をがんばらさせ体を固めてしまう姿勢といえます。
このとき、後から体全体を支える背もたれを付けてあげると、安定して力が抜けてきますね。

寝ている時でも最小限の抗重力筋を働かせるよう、なるべく重力に逆らわない姿勢を取ってあげる
ことで、筋肉が無駄な収縮をすることなく緩むことができます。
たぶんご本人も楽なはずです。


そのような、捻じれが無く、また安定した姿勢を設定できたとして、
それでも、同じ姿勢のまま長時間いるとやはり特定の筋肉にどうしても負担がかかるので、
こまめに別の体位(仰向けだったら横向きなど)に変えてあげることも必要になります。
これは床ずれ予防にもなります。
新しい体位ももちろん「良肢位」です。

さらにいえば、寝ている時間ばかりではなく起こしている時間(座位)を作ることが理想です。


でもこのような理想的な良肢位の保持とこまめな体位変換を実施するには
実際はなかなか状況が許さない場合が多いですね。
こまめな体位変換はご家族の大きな協力が必要になってきますし、すでに拘縮が重度に
進んでいる場合の良肢位保持は「できる範囲で」ということになるかと思います。


それでも
「重度な寝たきりにしない」
この理想はできる限り追求したいと思っています。


おわり




訪問リハビリマッサージ 治療室リハネット


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2011年11月07日

寝たきりの拘縮予防。

寝たきりの方のさらなる拘縮の進行は、介護の現場では大きな問題であり、改善すべきテーマです。
今回は、寝たきりになった時点からの関節拘縮の進行予防について書きます。


活動性が低下すると、だんだん筋肉が縮んできて、さらに関節の動きも悪くなり固まってきます。
いわゆる廃用性の関節拘縮です。
そして「寝たきり」になっていきます。
寝たきりになった場合、顕著に動かなくなりますから悪循環で拘縮はどんどん進んでいくケースが
ほとんどです。

この場合、関節拘縮の進行を予防する方法は大きく2つあると思います。

@関節が固まらないように第三者が頻繁に関節を動かす
A拘縮が進みにくいような寝ている姿勢(良肢位の保持と体位変換)をとる



@については、
簡単に言うと、関節は「動かさないでいると固まる」という性質があることから
反対に「動かすことで固まることを予防する」ことになります。
第三者が、関節を動かしてあげるということですね。
これはなるべく頻繁に行えればそれに越したことはありません。
ただし、関節の正しい方向と範囲で動かすということが前提です(間違った方向に無理に
動かしたりすると関節を痛め、拘縮を逆に進行させてしまうことがありますから)。
拘縮の状態にもよりますので、できれば専門の方にやってもらう、指導を受けるのが良いと思います。


あまり重視されていないようですが、Aが寝たきりの方の拘縮にとって重要な関連要因である
と思います。
拘縮の進行には、寝ている姿勢の保持の仕方が大きくかかわってくるということです。
長時間のことですから。
専門的には「ポジショニング」と言ったりします。

このポジショニング、介護の現場では「床ずれ予防」として捉えられていることが多いように
見受けられ、「拘縮予防」の視点はまだまだ少ないように思います。


長くなりそうなので、Aについては回を改めます。



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2011年10月07日

リハビリに取り組む姿勢を考える。

先日、とある「運動について東洋哲学的に書かれた本」を読む機会がありました(読書の秋です)。

その中に、
「運動(鍛錬)とは、何か新しい能力を獲得するための手段ではなく、
本来備わっている自分の中の自然を探し出す作業である。またそうでなければならない」
というような文章がありました。

前後の背景からもいろいろ深く考えさせられる文章でしたが、その本意はとりあえず置いておいて、
それとは少し外れるのですが、私はこれを仕事柄「リハビリに取り組む姿勢」に関連づけて
考えてみました。

リハビリにより、「今まで無かった能力を獲得しよう」と考えて取り組むと大変な気持ちの負担に
なります。
努力して何か新しい能力を自分に付け加えるみたいなイメージです。
こういった考え方でリハビリに取り組むことが多いのではないでしょうか。
でもそうではなく、もともと「自分という人間に備わっているものを探し出す、見付け出す行為」
と考えると、なんだか肩の力が抜け気持ちが楽になりますし、希望が持てるように思いました。
発想の転換です。

特に中年期以降の人のリハビリを考えるとき、
「一生懸命頑張って今までに無かった○○できる能力を身に付けるぞ!」というのではなく
このような
「自分の中のすでにある能力を探して見つけ出そう」
という考え方で行うことがすごくしっくりくるように思えます。

なんだか宝探しみたいで楽しいですよね。


われわれ施術者の立場からは、
「この患者さんに本来備わっている能力を見つけ出すお手伝いをしてあげよう。
能力を見つけ出し、体現させてあげよう」
という姿勢になるのかもしれません。



冒頭の本の著者の意図はもっと別の、さらに深い所にあるのでしょうが、こんなふうに考えてみました。





ラベル:
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2011年06月27日

介護は一人で背負わせない。

当コラムなどでもよく指摘させていただいていますが、
要介護者を介護する家族(家族介護者)は、介護負担によってストレスを抱えていることで、
介護をされてない方に比べ、精神面の健康状態が良くない傾向があります。

このことはよく言われることですし、社会的にも問題になっていることですね。

そして、それは「周りに介護を手伝ってくれる人がいるかどうか」と相関していることが多いです。
周囲に介護を手伝ってくれる人がいない介護者に比べ、いる介護者のほうが元気なのです。

このことは秋元の行った、200名近い主介護者への自記式アンケート調査でも
データとしてはっきり現われていました。

介護を一人で行うことは、肉体的にも大きな負担を伴いますし、孤独感も強く作用するものと
思われます。
当然と言えば当然です。


というわけで、
介護をする家族に少しでも元気になってもらう為に、

*介護は複数の家族で分担する
*1人に背負わせず、少しでも手伝ってあげる

ということを考えていきましょう。

家族介護者の健康のための取り組みの一つとして進めてほしいと思います。
介護の現場が少し明るくなるかもしれません。



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2011年05月20日

廃用に対する筋力トレーニング。

訪問リハビリマッサージの内容として、必要に応じて患者さんに筋力トレーニング
を行っていただくことがあります。
筋力低下が原因で、ADL(日常的な生活動作)が制限されている場合は、
必要なところの筋力を向上させることでできなかった動作ができるようになることがあるからです。


現在訪問リハビリマッサージを受けておられる83歳のHさんもその一人です。
大腿骨頚部骨折により、手術。退院後介護施設に戻られたのですが
(骨折前はなんとか歩かれていたのが)、その後安静にしておられたこともあり
初見でお伺いした際は立ち上がることもままならない状態でした。

その後、筋力トレーニング、基本動作訓練も含めた週三回ペースの訪問リハビリマッサージ、
施設の職員さんたちの方針、ご本人の積極的な取り組みにより、
約4ヶ月後の現在は手引きにより数メートルほど歩けるようにまでなりました。
歩き終わった後のAさんの笑顔がいつも印象的。
順調にいけば今後も歩行能力はどんどん向上していくことでしょう。楽しみです。


AさんのADL低下の原因は、使わないこと(廃用)による筋力の顕著な低下にありました。
この場合、条件がそろえば、適切な筋力トレーニングにより目に見えた向上が期待できます。


ADLの向上に筋力トレーニングが著効であった1例です。




埼玉県さいたま市の訪問リハビリマッサージ 治療室リハネット




ラベル:運動 廃用症候群
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2011年05月16日

奥の細道と足三里。

今朝ラジオを聴いていたら、今日は「旅の日」なのだそうです。
松尾芭蕉が奥の細道の旅に出立した日が5月16日で、それにちなんでこの日を旅の日にしたとのこと。


松尾芭蕉の『奥の細道』といえば、その中に「足三里(あしさんり)」というツボの記述が
出てきます。
芭蕉は足三里のツボにお灸をすえながら旅をしていたようです。

この「足三里」というツボ、鍼灸マッサージの世界では患者さんへの施術によく使うツボで、
胃腸症状や便秘、疲労に効くといわれています。
むこうずねの外側、膝下から指約4本分くらい下の所にあります。
自らの健康維持のために自分の足三里に定期的にお灸をするという鍼灸師も多いのですヨ。

実は当院のリハビリマッサージでもこの「足三里」を流れの中で指圧しているのですが、
ここをうまく押すと、多くの患者さんが「気持ちいい」とおっしゃいますね。


奥の細道では、江戸を出た芭蕉は、東北に向かいます。
そして東北の風景を数多く俳句に詠んでいるようです。

芭蕉が足三里にお灸を据えながら歩いた東北。
震災でその姿を大きく変えてしまったようですが、
また観光の名所として復活することを願っています。




posted by リハネット at 08:55| コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月10日

ウォーキングの勧め。

これまで、このコラムにおいても健康のために「運動をしましょう」と、
ことあるごとに書かせていただきましたが、

具体的にどんな運動種目を行えばよいのかと聞かれれば(実際、よく聞かれます)、

一つに「ウォーキング」があると思っています。
「歩く」ことです。

ウォーキングの良い所は、特別な場所や器具が必要ないことがあげられます。
運動施設やクラブに行かなくても、自宅周辺でできますし、買い物や通勤時などの
外出時に「意識して歩く」ことで、比較的簡単に実施できます。

そして、ウォーキングの健康効果は折り紙つきです。
人間は歩くことが良いようにできているといっても過言ではないくらいですから。


というわけで、運動の一つに「ウォーキング」をお勧めしてます。




posted by リハネット at 08:34| コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月16日

ヘルスリテラシー。

昨日、テレビを見ていたら、とある番組で健康に関する特集をやっていて、
「こんなこと言えるのかな?」という疑問が残る内容がありました。
(こういうことはよくあります。)


そして頭の中に「ヘルスリテラシー」という単語が浮かびました。


世の中には、テレビや雑誌、書籍、インターネットなどを通じて、多くの健康情報が
提供(垂れ流し?)されてます。
テレビがいつも正しい情報を提供しているとは限りません。
いろいろなしがらみの中で流されていると推測されるようなものも少なくありません。

この世の中、
これらの溢れる健康に関する情報を鵜呑みにせず、より正しい、そして自分の利益に沿う情報を
自分(や周囲の人)の健康に活用することが大切になってくると思います。


こういった、
“個人が正しい健康情報にアクセスし、理解し活用できる能力やスキル”
を「ヘルスリテラシー」といったりします。


でも、一般の方、特にご高齢者が高いレベルのヘルスリテラシーを持つことは難しいことですよね。
そういった場合、「信頼できるヘルスリテラシーの高い人に常に相談できる環境を持つ」
ということも、大切かもしれません。



ヘルスリテラシーが高い人であるかを見極めるのも、「ヘルスリテラシー」でしょうか???





posted by リハネット at 20:44| コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月18日

小さな医療費削減戦略。

医療費削減戦略などと大きなことを言ってしまいましたが内容はそれほど大仰なものではありません。
(「CO削減戦略」みたいにしてみました(笑))



介護している人(家族)は、介護による負担やストレス、時間的に拘束され健康行動をとる時間が
ないなどの理由により、介護していない人に比べ健康を低下させるという傾向があります。
そのため介護している人は医療にかかる頻度や程度が高くなっていると考えられます。

その原因となっているのはとりもなおさず「介護」であって、
仮定の話をすると、要介護者(介護を受けている人)が元気であったなら「介護」は必要なく、
介護する人も不必要に健康を低下させないということになります。

要介護者の自立度(ADLやIADL)が高いほど、介護する人のストレスや負担感も少なく
健康感が高いという研究データもあったりします。

つまり、要介護者が元気であればあるほど(究極には、介護が必要にならなければ)
双方が元気で、双方に医療費がかからないということになるのです。


そこで、
@要介護者に少しでも元気になってもらう。またこれ以上悪くならないような取り組みをする
Aそもそも元気なうちから要介護にならないように予防をしておく

という戦略を推進すべきでは、と考えます。


多少我田引水的ですが、@に対しては
「訪問リハビリマッサージ」は単価が比較的(というかかなり)安く、戦略的な内容で施術を行えば
広い目で見ると医療費削減につながるのではと楽観的に考えています。

ただし、あくまでも「戦略的内容の施術」であって
ただ「揉んでいるだけ」の施術ではこの目標の達成には程遠いでしょう。
ADLを視野に入れた、機能向上や痛みのケアも含めた内容をこれからも模索していきたいと
思っています。


そしてさらに大事なのは、介護が必要ないような予防がなにより医療費削減になりますね(A)。
元気であるということは、医療にかかることも少ないですから。
(当然訪問リハビリマッサージも必要ありませんし。)


「元気なうちからのこころがけ」


日々の適切な食事と定期的かつ適度な運動、なるべくストレスのない生活をするということに
なるのでしょうが、


私の専門は運動処方ですので、ここは「適度な運動」をお勧めします。


介護している方には特に、ご自身の健康のために「運動」してほしいと思っています。







posted by リハネット at 08:47| コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする